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ADSLは今も少なからず利用者がいる回線ですが、これから契約を考えている人は少ないと思います。
ADSLはアナログ式の回線なので、あらゆる物理的な原因で通信速度が大きく変わります。
原因を知って速度の予測方法を活用したうえで、ADSLを契約するべきか判断しましょう。
ここでは、ADSLの通信速度が変わる原因と、速度を予測する方法を解説します。
ADSLを契約しようと考えている人は、参考にしてくださいね。
※そもそもADSLとは何か、というところから知りたい方は、まず以下の記事からご参照ください。
ADSLとは?病気?仕組みを簡単にわかりやすく解説!ADSLの通信速度の仕組み
公式上の情報を見ると、ADSLはそれなりの通信速度が出る回線に見えてきます。
しかし、ADSLの通信速度は物理的な要因で変わってくるので、一概に数値を断言することができません。
ADSLを利用してどれほどの通信速度が出るのかを知るためには、回線の仕組みを理解しておく必要があります。
ADSLの基本的な仕組み
ADSLは電話で利用されるアナログ回線を通してインターネットに接続する方式となっています。
公式上での通信速度は契約するプランによって異なり、最大
- 8Mbps
- 12Mbps
- 40Mbps
- 50Mbps
の中から選ぶことができますが、もっともスピードが優れたサービスを選ぶ人がほとんどです。
なので、ADSLの通信速度は最大50Mbpsと考えることが基本です。
プランごとの違いの詳細は以下の記事で解説しています。こちらもあわせて参考にしてみてください。
ADSLの50M/12M/8Mの違い!費用や速度を比較して解説!電話線は自宅と基地局の距離が離れるほど伝送速度が遅くなる
公式上でのADSLの通信速度は最大50Mbpsですが、実際に出る回線スピードは環境によって違いがあります。
実効速度に違いが出る原因は、
- 契約するプロバイダのサーバー
- 自宅からNTTの基地局までの距離
上記の2つです。
契約するADSLのプロバイダにはさまざまな選択肢がありますが、事業者によってサーバーのクオリティに違いがあります。
プロバイダの中にはサーバーのクオリティが低い事業者があります。
よって、評判が良くないプロバイダを契約すると夜に下り速度が1Mbpsほどまで落ちてしまいます。
ただ、サーバーのクオリティが高いプロバイダを契約すれば通信速度の低下を避けることができます。
ですので、評判が良い事業者を知っていれば大きな問題にはなりません。
もっとも大きな問題になるのは、自宅からNTTの基地局までの距離です。
ADSLで利用するアナログ回線は、情報の届け先が遠いほど通信速度が低下します。
ADSLの回線は、7km離れた場所まで情報を運ぶことができます。
NTTの基地局から7km以上離れた場所に自宅があると、ADSLは利用できないわけです。
ただ、NTTの基地局から7km以内の場所に自宅があったとしても、必ず通信速度が安定するわけではありません。
基地局から2km以上になると、距離が遠くなるほど通信速度が遅くなります。
わかりやすい例で説明すると、酒屋さんが家から遠い場所にあるほど、頼んだお酒が届くまでの時間がかかるような感覚です。
基地局からの距離による通信速度の違いは、後ほど目安として詳しく説明します。
距離だけでなく回線が置かれている環境によっても通信速度が変わる
ADSLの通信速度は基地局との距離だけでなく、アナログ回線が置かれている環境によっても変わります。
回線が電磁波によるノイズを拾いやすい場所にあると、通信速度の低下につながります。
電線や鉄道がある場所は電磁波が発生しやすいので、このような場所に回線があるとノイズを拾う可能性が高くなります。
ただ、ADSLを使って電線や鉄道による影響を受ける人は限られています。
基本的には自宅と基地局までの距離が通信速度の変化を与える最大の原因と言えるでしょう。
ちなみに光回線にはこのような速度の落ちる要素はほとんどありません。ADSLとの違いの詳細は以下の記事でまとめているので、こちらもあわせて参考にしてみてください。
光回線とADSLの決定的な違い8つ!どっちがいいか比較!ADSLの速度を予測する方法
ADSLの通信速度は基地局までの距離で変わります。
と言われても、自宅とNTTの基地局にどれほどの距離があるのかわからないですよね?
距離がわからない原因は、NTTの基地局がどこにあるのかわからないことにあります。
NTTの基地局がある場所は簡単な方法で調べることができ、目安表をもとにすれば自然に通信速度の目安が見えてきます。
自宅からNTTの基地局までの距離を知る方法
ADSLを導入した場合の通信速度は、スマホやタブレットがあれば簡単にすることができます。
NTTの線路情報開示システムで基地局との距離を調べる
NTTの公式サイトでは、「線路情報開示システム」のページで自宅から基地局までの距離を調べることができます。
エリア | URL |
東日本 | http://www.ntt-east.co.jp/line-info/ |
西日本 | http://www.ntt-west.co.jp/open/senro/senro_user_index.html |
線路情報開示システムのページでは、自宅の電話番号を入力するだけで基地局までどれぐらい離れているのかを知ることができます。
ただ、固定電話の番号を持っていないと線路情報開示システムを使うことができません。
また番号を持っていても「ご指定の電話番号による検索はできませんでした」と表示される場合があります。
固定番号を持っていない人や、上記の画面が表示された人は、次の方法を試してみてください。
有志のサイトとGoogleで基地局の場所を調べる
NTTの基地局のある場所は、有志の人が作ってくれたサイトを見れば簡単に調べることができます。
Googleで、「(在住している都道府県) NTT 収容局 マップ」このキーワードで検索すれば、検索結果に自分で住んでいる都道府県のNTT収容局マップが1番上に出てきます。
検索結果で1番上に出てきたサイトにアクセスすると、自分が住んでいる都道府県内に設けられているNTTの基地局の場所がマップ形式で表示されます。
このマップを使って、住んでいる家から1番近い基地局を探してみましょう。
自宅から1番近い基地局が見つれば、表示されている施設の名称をメモなどに控えてください。
施設の名称は基地局の住所を調べるために必要です。
基地局の住所は、自宅までの距離を調べるために使います。
再度、Googleの検索ページを開き、自宅から1番近い基地局の名称を入力して検索します。
検索結果に基地局の住所が表示されるので、メモなどに控えてください。
最後にGoogle Mapアプリを使って控えた住所を入力して経路検索をすれば、自宅から基地局までのおおよそ距離が出ます。
上記の方法で出た距離をもとに、ADSLの通信速度を調べます。
基地局との距離がわかれば目安表で通信速度を調べる
自宅から基地局との距離を調べた後は、下記の目安表を見ればどれほどの通信速度が出るのかわかります。
上記の画像は筆者の自宅からもっとも近い基地局を調べたものですが、距離はおおよそ1.9kmという結果になりました。
1.9kmという結果になれば、下記の表で2000mの項目に書かれている数値がおおよその通信速度になります。
距離 | 1000m | 2000m | 3000m | 4000m | 5000m | 6000m | 7000m |
最大 8Mbps | 6~8 Mbps | 4~7 Mbps | 1~4 Mbps | 2Mbps 以下 | 2Mbps 以下 | 1Mbps 以下 | 1Mbps 以下 |
最大 12Mbps | 9~12 Mbps | 6~9 Mbps | 2~5 Mbps | 3Mbps 以下 | 2Mbps 以下 | 2Mbps 以下 | 2Mbps 以下 |
最大 24Mbps | 13~18 Mbps | 6~12 Mbps | 2~6 Mbps | 4Mbps 以下 | 3Mbps 以下 | 2Mbps 以下 | 2Mbps 以下 |
最大 40Mbps | 21~30 Mbps | 6~13 Mbps | 2~6 Mbps | 4Mbps 以下 | 3Mbps 以下 | 3Mbps 以下 | 3Mbps 以下 |
最大 50Mbps | 23~34 Mbps | 6~14 Mbps | 2~7 Mbps | 4Mbps 以下 | 3Mbps 以下 | 3Mbps 以下 | 3Mbps 以下 |
ADSLでは最大速度が速いプランに加入することが基本です。
しかし、基地局との距離が4000m以上離れていると、どのプランを選んでも通信速度はほとんど変わりません。
基地局と自宅が4000m以上離れている場合は、最大速度が50Mbpsのプランに加入しても月額料金が無駄になるわけです。
ADSLの速度については以下の記事でも解説しているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
ADSLの回線速度平均は遅い?速度測定した実測をチェック!ADSLを利用するうえでの注意点2つとおすすめできない理由2つ!
ADSLには利用するうえで2つの注意点があります。2つ注意点はADSLをおすすめできない理由にもなります。
注意点その1.公式サイトに記載されている速度は出ない
先ほどの目安表を見ればわかりますが、ADSLでは公式サイトに書かれている通りの通信速度が出ません。
インターネット回線はADSLに限らず、公式サイトに書かれた通りの速度は出ないものです。
しかし、ADSLは他の回線と比べて実効速度の数値が低いので、快適にインターネットが利用できる可能性は低いと言わざるを得ません。
携帯電話キャリアのLTE回線よりも通信速度が遅いので、普段からよくスマホでホームページや動画を見ている人はストレスを感じるでしょう。
注意点その2.目安表通りの速度が出るわけではない
先ほどの目安表に書かれている通信速度はあくまでも目安です。
回線が電線や鉄道が近い場所にあるとノイズを拾って回線スピードが落ちる可能性があります。
ノイズの影響を予測することは難しいので、ADSLを契約するときは目安表通りの速度が出ない可能性を理解しておかなければいけません。
おすすめできない理由その1.通信速度が安定する確証が無い
先ほどの注意点を見て勘付いている人もいるかと思いますが、ADSLは通信速度が安定する確証がありません。
他のインターネット回線も通信速度は保証されていませんが、光回線などでは予備知識を付けておけばある程度の対策をしておくことができます。
ADSLの通信速度が安定しない原因は、基地局との距離や電磁波を拾いやすい場所に回線があるなど物理的なものです。
そのため、ADSLの通信速度が遅い場合に行える対処法はほとんどありません。
おすすめできない理由その2.他の回線を選んだほうが通信速度の安定性が高い
ADSLがおすすめできない最大の理由は、他のインターネット回線を利用したほうが通信速度を安定させられることです。
たとえば、今主流の光回線は光で情報を運ぶので、基地局との距離で速度が左右されることがありません。電磁波による影響も受けないので、常に安定した通信速度でインターネットが利用できます。
とくにNURO光という光回線は2Gbpsの速度を実現しており、ADSLと比べ物にならないくらい速いです。NURO光が気になる方はNURO 光 の公式サイトもあわせてご参照ください。(以下のボタンリンクからもご覧になれます。)
NURO光については以下の記事でも詳細を解説しているので、詳しいところまで知りたい方はこちらも参考にしてみてください。
NURO光の口コミ・評判を徹底分析!良い回線なのか実態を調査!通信速度の安定性がもっとも高いインターネット回線は光回線ですが、WiMAXのような持ち歩きができるWi-FiルーターもADSLより安定性が優れています。(WiMAXの詳細は以下の記事をご参照ください。)
家にインターネット環境がない人におすすめしたい接続方法はこれ!また、現在のインターネット上にあるホームページや動画は、ADSLより速い光回線に向けて作られています。今からADSLを使うメリットは、ほとんど無いと考えたほうがいいでしょう。
まとめ
ADSLの通信速度は、自宅からNTTの基地局までの距離で変わります。
基地局が自宅から4000km以上離れた場所にあると、どれほど対応速度が優れたプランに加入しても5Mbps以下のスピードしか出ません。
ADSLで快適にインターネットを使うには、自宅から基地局までの距離が最低でも3km以内と考えるべきでしょう。
自宅と基地局の距離が3km以内だとしても、回線が電磁波によるノイズを受けやすい場所にあると通信速度が低下する恐れがあります。
ADSLは通信速度を予測しても、予期せぬ原因で回線スピードが落ちることがあります。
安定性を求めるなら他のインターネット回線も選択肢に入れたほうがいいでしょう。
速度が速く安い質の高い光回線は以下の記事で厳選して紹介しています。これから光回線の契約を考えている方は、こちらもあわせて参考にしてみてください。
光回線のおすすめ4選!速度が速い料金も安い最適な回線を紹介!