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インターネット環境の細かい部分まで見直そうとすると「PPPoEパススルー機能」という言葉を耳にします。
ただ、これがどんな機能なのか知っている人は少ないのではないでしょうか?
以前であればPPPoEパススルー機能はインターネット環境の快適化を図るときに使えました。
ですが、今はPPPoEの仕組みが原因で活用しても環境はそれほど良くなりません。
セキュリティ対策が手薄になる欠点もあるので、機能をよく理解したうえで利用するかを決めましょう。
ここではPPPoEパススルーとはどんな機能なのかを紹介し、メリットとデメリットを解説していきます。
PPPoEパススルー機能と比較してほしい機能も紹介するので、インターネット環境を快適にしたいと考えている人はぜひご覧ください。
目次
PPPoEパススルー機能とは
PPPoEパススルー機能はデバイスをダイレクトにインターネットへ接続できるツールで、活用するとインターネットの使う用途が広がります。
PPPoEパススルー機能はルーターを介さずに接続できるツール
PPPoEパススルー機能を有効にすると、ルーターを通さずにインターネットへ接続できるようになります。
PPPoEパススルー機能はルーターをスルーしてデータをデバイスへパスする機能というわけです。
PPPoEパススルー機能はPPPoEブリッジ機能とも呼ばれています。
PPPoEパススルーとPPPoEブリッジは別の機能ではないので注意してください。
PPPoEパススルー機能を使う用途
詳しい内容はあとで説明しますが、PPPoEパススルー機能を使う用途は主に以下の2つです。
- パソコンのリモートデスクトップなどによる遠隔操作
- 遊べないオンラインゲームをなくす
PPPoEパススルー機能を有効にするとルーターが外部からの通信を遮断しなくなります。
なので、パソコンのリモートデスクトップをはじめ、IoT家電の遠隔操作ができるようになります。
PS3やPS4、PSPなどのオンラインゲームで遊びたい人が利用すると、プレイできないタイトルがなくなるメリットが受けられます。
PPPoEパススルー機能のメリット
PPPoEパススルー機能を有効にすると以下のメリットが生じて、インターネットの機能性が向上します。
- パソコンなどのリモート機能が利用できる
- 遊べないオンラインゲームがなくなる
パソコンなどのリモート機能が利用できる
PPPoEパススルー機能を使えば外からでも自宅のネットワークが利用できるようになります。
なので、パソコンのリモートデスクトップやIoT家電などを遠隔操作で使えるようになります。
リモート操作に対応しているIoT機器を使っている人にとって、PPPoEパススルー機能は魅力のある機能に見えますよね。
とはいっても、パソコンのリモートデスクトップをはじめとしたリモート機能は他にもあります。(固定IPの取得など)
後でご紹介するデメリットを踏まえるとわざわざ使う価値は見出せません。
遊べないオンラインゲームがなくなる
PS4をはじめとしたハードでのオンラインゲームのなかには、指定のポートを開放しないとオンライン通信ができないタイトルがあります。
PPPoEパススルー機能を使えば指定されたポートが解放できるようになるので、すべてのゲームタイトルでオンライン通信が可能になります。
PPPoEパススルー機能のデメリット
PPPoEパススルー機能には3つのデメリットがあります。
- 今は通信速度の低下が起きやすい
- 1台のデバイスを利用すると他のデバイスが利用できない恐れがある
- セキュリティが手薄になる
今は通信速度の低下が起きやすい
以前であればダイレクトにインターネットへ接続できるPPPoEパススルー機能は通信速度の改善が見込めるツールとして使われていました。
ですが、今となっては通信速度を速くできるツールではなくなりました。
通信速度の改善が見込めなくなった理由は、PPPoEの根本的な仕組みにあります。
PPPoEではプロバイダを経由してからインターネットに接続するので、利用者が増えると通信速度が低下する欠点があります。
以前は今と比べてインターネットの利用者が少なかったのでPPPoEパススルー機能を使えば通信速度が向上する見込みがありました。
ただ、ほとんどの人がインターネットを使うようになった今ではPPPoE接続の回線混雑が起きやすくなり通信速度を改善する期待が持てません。
1~2台のデバイスを利用すると他のデバイスが利用できない場合が
PPPoEパススルー機能を有効にして同時にインターネットへ接続できるデバイスの数は、回線事業者とのプロバイダごとに違います。
PPPoEパススルー機能で同時接続できるデバイスの台数を1~2つに限定しているプロバイダは多いです。
有効にすると同時に複数のデバイスでインターネットを使うことができなくなると考えたほうがいいでしょう。
セキュリティが手薄になる
PPPoEパススルー機能を有効にすると、ルーターが外部からの通信をすべて受け入れるようになります。
そうすると、第三者から不正アクセスを受けて自分の情報や通信履歴が盗まれる危険が高まります。
最悪の場合だとクレジットカード情報が盗まれて悪用される辞退を招いてしまいます。
デバイスにセキュリティソフトを入れてない状態でPPPoEパススルー機能を有効にすると自分の情報が見られ放題になります。
なので、あらかじめセキュリティソフトの導入などの対策をしておく必要があります。
PPPoEパススルー機能は使うべきなのか
PPPoEパススルー機能はインターネットを使う用途が広がる魅力的な機能に見えますが、今から使う価値があるとはいえません。
PPPoEの基本的な仕組みがネックになるからです。
PPPoEパススルー機能による恩恵が受けられる見込みは薄い
オンラインゲームで遊ぶ人やIoT家電を使う人からするとPPPoEパススルー機能は魅力に見えると思いますが、今から使っても満足が得られるとはいい難いです。
先ほども説明した通り、PPPoEパススルー機能には通信速度が低下する不安要素があるからです。
今からPPPoEでインターネットに接続できる環境にしても、夜間に通信速度が低下する恐れがあります。
なので、オンラインゲームで遊ぶときやIoT家電をリモート操作するときに遅延が発生する恐れがあるのです。
快適なインターネット環境を作ることを考慮すれば、他の方法を用いましょう。
PPPoEパススルー機能よりもV6プラスがおすすめ
通信速度を安定させたい人やオンラインゲームで遊びたい人は、PPPoEパススルー機能よりもV6プラスやIPv6 IPoE+IPv4の利用がオススメです。
V6プラスではIPoE方式でインターネットへ接続して、IPv6とIPv4が併用できる強みがあります。
IPoE方式ではプロバイダを契約せずにインターネットへアクセスするので、利用者の多さや時間帯に関係なく安定した通信速度が出ます。
IPv6とIPv4が併用できるので、通信状態が安定した環境で多くのゲームタイトルのオンライン通信が可能になります。
V6プラスでは固定IPが使えないデメリットがあります。
ですが、他社プロバイダの固定IPサービスを別途契約しておけば、IoT家電のリモート機能も使えるようになります。
V6プラスやIPv6 IPoE+IPv4は下記の事業者で利用可能です。
V6プラスおよびIPv6 IPoE+IPv4対応事業者 |
ドコモ光(GMOとくとくBB)、ソフトバンク光、OCN光、ビッグローブ光、ぷらら光、So-net光、@nifty光、auひかり(プロバイダごとに異なる)、NURO光、コミュファ光(プロバイダごとに異なる)、eo光、ピカラ、メガエッグ |
V6プラスの詳しい内容とV6プラスでプレイできるゲームタイトルについては、当サイトの下記のページで解説しているので、あわせてご覧ください。
V6プラスとは?メリット3つデメリット3つ!料金は無料か乗り換えるべきかまで解説!V6プラスの非対応ゲーム名一覧!PS4やフォートナイトなどのオンラインはできるか解説!PPPoEパススルー機能の設定方法
PPPoEパススルー機能の設定方法は利用しているルーターの種類ごとに異なりますが、デバイス側の設定方法は統一されています。
ルーターのPPPoEパススルー機能を有効にする
PPPoEパススルー機能を使うときは、最初にルーター側の設定を行います。
ルーターの設定方法は機種ごとに違います。
Buffaloのルーターでは、裏側にあるツマミをAPかWBにあわせるとPPPoEパススルー機能を利用できるようになります。
他のメーカーのルーターを利用している場合は、ルーターに接続しているブラウザで設定ツールを起動してPPPoEパススルー機能を有効にします。
NECのAtermシリーズを例にすると、下記の手順で設定が可能です。
- ルーターに接続しているデバイスのブラウザを起動
- URL欄に「168.10.1」と入力してアクセス
- ログイン画面のユーザー名に「admin」、パスワードにルーターのラベルに描かれている6ケタのパスワードを入力して「OK」を押す
- メニュー画面で「基本設定」→「基本設定」の順に項目を選択
- 「PPPoEブリッジ」の項目で「有効にする」を選択
メーカーごとに手順は若干異なりますが、基本的な流れは同じです。
デバイスをインターネットに接続する
ルーター側の設定が終われば、次はPPPoEパススルー機能を使ってインターネットに接続したいデバイスを有線でルーターにつないで設定を行います。
Windowsのパソコンでは以下の手順で設定が可能です。
- 設定アプリを立ち上げる
- 「ネットワークとインターネット」を押す
- 左側の「ダイヤルアップ」を押す
- 「右側の新しい接続を設定する」を押す
- 表示されたウィンドウの「インターネットに接続します」を選択して「次へ」を押す
- 「新しい接続をセットアップします」を押す
- 「ブロードバンド」を押す
- プロバイダから発行されているユーザー名とパスワードを入力して「接続」を押す
以上で設定は完了です。
PPPoEパススルー機能を有効にしてPS4をインターネットに接続する場合は、PS4側で以下の設定を行います。
- 設定メニューを開く
- 「ネットワークメニュー」を選択
- 「インターネット接続を設定する」を選択
- 「LANケーブルを使う」を選択
- 「カスタム」を選択
- 「PPPoE」を選択
- プロバイダから発行されているIDとパスワードを入力して「次へ」を押す
PPPoEパススルー機能を利用する際はデバイスをダイレクトにインターネットに直接します。
よって、プロバイダから発行されているIDとパスワードを入力する形式での設定が必要です。
IDとパスワードはプロバイダを契約したときにもらった書類を見ればわかります。
PPPoEパススルー機能に対応したルーター
今はV6プラスでのIPoE接続が推奨されているので、PPPoEパススルー機能に対応しているルーターはほとんどないのが現状です。
数少ないPPPoEパススルー機能に対応したルーターをご紹介します。
切り替えが簡単なBuffaloの定番モデル
現在はPPPoEパススルー機能の需要が低くなっているので、対応ルーターが少なくなっています。
強いて挙げるとすれば、Buffaloの定番無線LANルーターWSR-1166DHP3ぐらいです。
※Buffaloの定番モデルWSR-1166DHP3
WSR-1166DHP3は裏側のツマミで簡単にPPPoEパススルー機能(Buffaloでの名称はPPPoEブリッジ)のオン/オフ切り替えが可能です。
IPv6対応ルーターでもあるので、PPPoEパススルー機能の性能に満足できないと感じてV6プラスを使う場合も続けて利用できます。
販売価格も4,672円となっていて手を出しやすく、PPPoEパススルー機能とV6プラスのどちらを使うか迷った人にもオススメしやすいルーターです。
フレッツ・光コラボユーザーならホームゲートウェイを利用する方法も
フレッツ光や光コラボを利用している人なら、ホームゲートウェイをレンタルする方法もあります。
ホームゲートウェイは光電話や無線LANルーターとして利用できる周辺機器ですが、PPPoEパススルー機能に対応しています。
V6プラス対応機器でもあるので、もしPPPoEパススルー機能の利用をやめたいと感じたときの立ち回りを容易にしてくれるアイテムといえます。