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無線LANルーターやモバイルルーターを購入してWi-Fiをつなぐ際、必ずといっていいほど2.4GHzと5GHzの数値を目にします。
2.4GHzと5GHzの数値はWi-Fiを快適に使うポイントの1つなので、どのような意味を表しているのは知っておく必要があります。
ここでは、Wi-Fiに接続するときに見かける2.4GHzと5GHzの意味とそれぞれの違いを解説します。
2.4GHzと5GHzについて知りたい人はぜひご覧ください。
Wi-Fiの2.4GHzと5GHzとは
Wi-Fiの2.4GHzと5GHzは、電波の特性を表す重要な数値です。
2.4GHzと5GHzはWi-Fiを快適に使うための重要なポイントになるので、どのような意味を持つ数値なのか知っておきましょう。
Wi-Fiの2.4GHzと5GHzは周波数帯
Wi-Fiに接続ときに見かける2.4GHzと5GHzの数字は、無線LANルーターが発信するWi-Fiの周波数帯を指します。
現在販売されている無線LANルーターやモバイルWi-Fiルーターは2種類の電波を飛ばしています。
設定画面で表示されるSSIDの末尾に書かれている2Gと5Gは周波数帯を表しています。
ただ、無線LANルーターの種類によっては、別の形式で周波数帯を表しています。
無線LANルーターの種類別の周波数帯を確認する方法は後半で解説します。
無線LANルーターやモバイルルーターを購入してWi-Fiを使うときは、環境とどちらの周波数帯に接続するかで使いやすさが変わります。
60GHzもあるが普及が進んでいない
あまり知られていませんが、Wi-Fiの周波数帯には60GHzも存在しています。
60GHzのWi-Fiは5GHzの特徴をより尖らせた特徴を持っています。
ただ、現状では60GHzの普及はほとんど進んでいないので、Wi-Fiの周波数帯は実質2.4GHzと5GHzの2種類と考えてください。
海外では利用できる周波数帯が異なる
Wi-Fiの周波数帯が2.4GHzと5GHzになっているのは、あくまで日本国内での話にすぎません。
無線LANルーターをはじめとした無線機器の周波数帯は、国ごとの電波法で定められているからです。
ですので、日本の無線LANルーターを海外に持ち込んでも、現地が対応している周波数帯が異なると利用できません。
Wi-Fiの2.4GHzと5GHzの3つの違い
2.4GHzと5GHzのどちらを使うかで、Wi-Fiの機能性の良し悪しが大きく変わります。
まず、2.4GHzと5GHzにどのような違いがあるのか見てみましょう。
通信速度の速さ
2.4GHzと5GHzでは、Wi-Fiに接続したときの通信速度に大きな違いがあります。
下記の表をもとに、通信速度にどれほどの違いがあるのかを見てみましょう。
周波数帯 | 無線LAN規格 | 最大速度 |
2.4GHz | IEEE802.11n | 300Mbps |
IEEE802.11b | 11Mbps | |
IEEE802.11g | 54Mbps | |
5GHz | IEEE802.11ac | 6.9Gbps |
IEEE802.11n | 300Mbps | |
IEEE802.11a | 54Mbps |
無線LANルーターが対応する無線LANの規格で数値は変わります。
ですが、2.4GHzのWi-Fiに接続して出せる通信速度は最大300Mbpsです。
5GHzではルーターがIEEE802.11acに対応していれば、理論上6.9Gbpsまでの通信速度が出せます。
ただ、現状では6.9Gbpsまでのスピードを実現できる無線LANルーターはありません。
ただ、標準的なスペックのルーターを購入しても自宅を最大で800Mbpsほどの速度が出せるインターネット環境にできます。
上記の数値はあくまで理論上の最大値ですが、実効速度にも大きな違いが出ています。
筆者が利用している無線LANルーターで計測した2.4GHzと5GHzの実効速度を比べてみましょう(ちなみに、ソフトバンクエアーで計測しています)。
無線LANルーターから近い場所で計測した場合、5GHzに接続すると80Mbps近い下り速度が出ました。
2.4GHzのWi-Fiに接続した場合、無線LANルーターの近くにいても40Mbps近くまでの下り速度しか出でませんでした。
数値だけで比較すると、快適にインターネットを使うなら5GHzのWi-Fiを使うべきといえます。
しかし、2.4GHzと5GHzのどちらを使えば良いのかは、Wi-Fiに接続する環境によっても変わるので通信速度だけでは判断できません。
障害物に対する強さ
2.4GHzは通信速度が速くない代わりに壁などの障害物に強いメリットがあります。
2GHzのWi-Fiに接続すると、ルーターから離れた場所でも電波が途切れにくくなります。
5GHzは電波の直進性が強く通信速度が速い代わりに壁などの障害物に弱い欠点があります。
ルーターから離れた場所で5GHzを利用するとWi-Fiが途切れがちになるかもしれません。
他の家電が発信する電磁波と干渉する可能性
2.4GHzのWi-Fiは電子レンジやテレビ、無線キーボードやマウスの電磁波やBluetoothと干渉しやすいです。
2.4GHzのWi-Fiはルーターの置き場所次第では電波が不安定になります。
5GHzは他の家電では使われていない周波数帯なので、電子レンジをはじめとした電磁波と干渉しにくい強みを持っています。
Wi-Fiの2.4GHzと5GHzの使い分け方
先ほど紹介した違いを見て、通信速度の速さだけで利用するWi-Fiの周波数帯を選ぶべきではないと気づいた人もいるかもしれません。
先ほど紹介した違いをもとに、2.4GHzと5GHzの使い分け方を見てみましょう。
5GHzを使うべき3つの条件
5GHzに接続して快適にWi-Fiを使える条件は以下の2つです。
- 通信速度の速さにこだわりたい
- 無線LANルーターと近い距離にいる
- スマホやパソコンがIEEE802.11acに対応している
とことん速い通信速度でWi-Fiを使いたいのなら、5GHzのWi-Fiに接続してインターネットを使うべきです。
先ほど説明した通り、5GHzなら2.4GHzよりも速い通信速度が出るからです。
ただ、5GHzを利用して通信速度の速さを実感するには、無線LANルーターから近い場所にいなければいけません。
5GHzは壁などの障害物に弱いので、無線LANルーターから離れた部屋で使うと、思ったほどの通信速度が出ません。
自分が持っているスマホやパソコンがIEEE802.11acに対応しているかも大きなポイントです。
5GHzを利用して最大限の通信速度が出せるのは、スマホやパソコンが対応している無線LAN規格がIEEE802.11acの場合に限られます。
スマホやパソコンがIEEE802.11acに対応していないと、5GHzのWi-Fiに接続しても通信速度が2GHzとさほど変わりません。
2GHzを使うべき2つの条件
以下の条件に当てはまる人は、2.4GHzのWi-Fiを使っても問題ありません。
- 通信速度の速さにこだわらない
- 無線LANルーターから離れた場所でWi-Fiで使う
正直な話、自宅に引いている回線のクオリティが高く、Wi-Fiを利用する目的がホームページや動画を見るぐらいであれば2.4GHzを使っても問題ありません。
2.4GHzは5GHzよりも通信速度が遅いといっても、ホームページや動画をスムーズに読み込めるスピードが出せるからです。
また、2.4GHzのWi-Fiは無線LANルーターから離れた場所で利用しても途切れにくいです。
無線LANルーターとの距離で2.4GHzと5GHzを使い分ける
上記の理屈を要約すると、2.4GHzと5GHzの使い分け方は以下の通りになります。
- 無線LANルーターからの距離が近ければ5GHz
- 無線LANルーターから距離が離れるなら2.4GHz
5GHzは通信速度こそ2.4GHzより優れていますが、無線LANルーターとデバイスの間に壁が1つでもあると電波が弱くなるので、通信が途切れたり速度が遅くなってしまいます。
通信速度の速さを重視したいときはルーターから近い場所で5GHzを。
ルーターから遠い場所では障害物に強い2GHzを、といった感じに使い分ける必要があります。
わざわざ切り替えるのが面倒と感じるのであれば、通信速度が求められるオンラインゲームで遊ばない限り2.4GHzだけ使いましょう。
ワンルームの集合住宅に住んでいれば、5GHzだけを使っても不便に感じません。
2.4GHzを使うときはルーターの置き場所を確認しよう
2.4GHzのWi-Fiを使う場合は、無線LANルーターの置き場所を確認しておきましょう。
2.4GHzは他の家電からの電磁波と干渉しやすいからです。
電子レンジやテレビに近い場所に無線LANルーターを置いて2.4GHzのWi-Fiを利用すると、電波の干渉が起きて通信速度が低下したり、Wi-Fiに接続できなくなってしまいます。
ですので、2.4GHzを利用する場合は、電子レンジやテレビから離れた場所に無線LANルーターを置いてください。
屋外での5GHz利用は違法
モバイルWi-Fiルーターを持ち出す場合、5GHzの利用には注意しなければいけません。
屋外での5GHzの利用は法律で禁じられているからです。
5GHzの電波は気象やGPS用の衛星や気象衛星でも利用されています。
電波法では、モバイルルーターの電波と衛星の電波を干渉させないために、屋外での5GHzの利用を禁止しています。
屋外で5GHzのWi-Fiを利用すると、100万円以下の罰金か1年以下の懲役が課せられるので注意してください。
ただ、チャンネル数を100以降の数値にすれば、衛星などの電波と干渉しないので屋外でも5GHzのWi-Fiが利用できます。
どうしても屋外で5GHzのWi-Fiを利用したいときは、持っているルーターの設定ツールを使ってチャンネルの数値を100以降にしておきましょう。
Wi-Fiの周波数を確認する方法
自分が利用しているWi-Fiの周波数帯は、簡単な方法で確認できます。
ルーターに貼ってあるシールを見る
利用している無線LANルーターやモバイルルーターが発信しているWi-Fiの周波数帯を知りたいときは、端末に貼られている(もしくは同封されている)シールを見てみましょう。
シールにSSIDが2つ書かれていれば、2.4GHzと5GHのどちらの周波数帯も利用できます。
また、ルーターが2.4GHzと5GHzのどちらにも対応していて、Wi-Fiに接続するデバイスが2台以上あれば同時に両方の周波数帯を利用できます。
ただ、1台のスマホで両方の周波数帯には接続できません。
シールに書かれているSSIDが1つだけだと、2GHzのWi-Fiしか利用できません。
家電量販店やAmazonで販売されているほとんどのルーターは2.4GHzと5GHzの両方に対応しています。
ですが、スペックが低いルーターや世代が古いルーターは2.4GHzにしか対応していないので注意してください。
SSIDの記載のされ方で周波数帯の確認方法は違う
無線LANルーターに貼られているシールにSSIDが2つ以上書かれている場合、記載された形式別に周波数帯を確かめなければいけません。
前半に説明した通りSSIDの末尾に2Gや5Gと記載されている場合、2Gなら周波数帯は2GHz、5Gなら周波数帯は5GHzになります。
SSIDの中や末尾に「g,a,gw,aw」の文字が組み込まれている場合、周波数帯は以下の通りになります。
SSID | 周波数帯 |
g | 2.4GHz |
a | 5GHz |
gw | 2.4GHz |
aw | 5GHz |
モバイルルーターではタッチパネルでも確認できる
WiMAXやY!mobileのモバイルルーターを使っている場合、タッチパネルでSSIDを確認してWi-Fiの周波数帯を知る方法もあります。
※WiMAXのモバイルルーターでは「情報」をタップして「SSID情報」を選択します。
そうすればモバイルルーターのタッチパネルでもSSIDの末尾が2Gか5Gのどちらになっているかで、発信されているWi-Fiの周波数帯が2.4GHzと5GHzのどちらなのかがわかります。
接続しているWi-FiのSSIDを確認する
今接続しているWi-Fiが2.4GHzか5GHzのどちらなのか知りたい人は、設定画面を開いて利用しているWi-FiのSSIDを見てみましょう。
SSIDの末尾が5Gであれば、今接続しているWi-Fiの周波数帯は5GHzです。
SSIDの末尾が2Gだと、利用しているWi-Fiの周波数帯は2.4GHzになります。
まとめ
Wi-Fiを接続するときに目にする2.4GHzと5GHzは、電波としての周波数を表す数字です。
周波数が変わるとWi-Fiの電波としての特性も変わるので、2.4GHzと5GHzどちらのWi-Fiを使うかは意外と重要なポイントになります。
5GHzは通信速度こそ優れた周波数帯ですが、障害物に弱いのでルーターに近い場所でなければ利用できません。
2.4GHzは5GHzと比べると通信速度が遅いですが障害物に強いので、ルーターから離れた場所でWi-Fiを使いたい人に向いています。
ただ、電子レンジやテレビの近くにルーターを置くと、電磁波と干渉して正常にWi-Fiが利用できなくなるので注意が必要です。
上記の理屈で考えると、ルーターから近い場所では5GHzを、ルーターから離れた場所では2GHzを使うのがベストという結論になります。
しかし、ホームページや動画を見るぐらいなら、2.4GHzだけ使えば不便に感じません。
5GHzが必要になるのは、オンラインゲームなどで通信速度の安定性が求められ場合に限られると考えていいでしょう。