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インターネット回線を契約するときや回線環境の快適化を図るときにPPPoEという言葉を目にするものですが、どのような機能なのかわからないですよね。
PPPoEについてこと細かにご説明すると、専門用語のオンパレードになり何がなんだかわからなくなります。
ただ、要点だけ押さえるとインターネットに接続するときに認証を済ませてくれる機能というシンプルなものです。
利用するハードルも低く誰でも導入可能ですが、他の機能と比べて通信速度の安定性に不安があります。
なので、メインで使おうとしている人はデメリットを見ておく必要があります。
ここでは初心者の人にもわかりやすくPPPoEとはどんな機能なのかをご紹介します。
これからインターネット回線を契約する人や、回線環境を良くしたいと考えている人はぜひご覧ください。
目次
PPPoEとは
PPPoEはインターネット回線が用いられる基本的なプロトコルの一種です。
インターネット回線ではあらゆるプロトコルが用いられますが、PPPoEは接続する際の認証とIPアドレスの割り当てを行う役目をしています。
PPPoEは接続認証とIPアドレス割当てをするプロトコル
PPPoEの読み方は文字通り「ピーピーピーオーピー」で、「PPP over Ethernet」の略称です。
PPPは「Point to Point Protocol」の略称となっています。
PPPoEについて専門的な話をすると多くの人がちんぷんかんぷんになってしまいます。
なので、わかりやすく説明するとPPPoEは主にインターネットへの接続認証とIPアドレスの割り当てを行う役割を行います。
回線とプロバイダを契約するときにインターネットに接続するときは、初期設定でプロバイダから発行されたIDとパスワードを使って認証をしてIPアドレスをもらわなければいけません。
PPPoEは接続認証とIPアドレスの割り当てを行います。
そして、ユーザーをインターネットに導いて、情報を送受信する道を確保してくれます。
PPPoEを使う方法
先ほど説明した通りPPPoEはインターネットの接続認証を行う役割をしているので、利用するには認証設定を行う必要があります。
ビッグローブ光を例としたPPPoE設定の登録方法をご紹介します。
基本的な流れはどの回線やプロバイダも同じです。
- ルーターに接続しているデバイスのブラウザを起動
- URL欄に回線事業者指定の数値を入力してアクセス
- 機器設定用パスワードの初期設定画面で任意のパスワードを作成して「設定」を押す
- メッセージが表示されたら「OK」を押す
- ユーザー名とパスワードの入力画面でユーザー名に「user」、パスワードに作成した機器設定用パスワードを入力
- 設定ウィザードの画面でプロバイダから発行されたユーザー名とパスワードを入力して「設定」を押す
- 接続設定画面で「UPnP優先」のボックスにチェックが入っているのを確認して「メインセッション」を押す
- メインセッションの画面で「IPアドレスの自動取得」の欄で「IPアドレスの自動取得」を選択し、「サーバから割り当てられたアドレス」の欄にある「使用する」をチェックして「設定」を押す
上記の設定が完了すれば、IPv4のみでの通信が可能になります。
PPPoE設定を入力するときはプロバイダIDとパスワードの入力が必要なので、契約した当時にもらった書類の確認が必要です。
PPPoEと他の用語との違い
インターネット通信のプロトコルにはPPPoEの他に以下の3種類も存在しています。
- IPv4
- IPv6
- IPoE
上記はPPPoEとは別の役割をしているプロトコルです。
PPPoEとIPv4の違い
IPv4はPPPoEと協力関係にあるプロトコルです。
PPPoEはインターネットの接続認証とIPアドレスの割り当てをしていますが、IPv4は自分が持つ在庫からIPアドレスを発行しています。
IPv4は割り当てるIPアドレスを用意するいわばPPPoEの提携先のような存在なのです。
PPPoEとIPv6の違い
IPv6もPPPoEと協力関係にあり、PPPoEが割り当てるIPアドレスの在庫を抱える提携先といえます。
IPv6の役割や立場はIPv4と似ていますが、根本的な仕組みが異なっています。
IPv4が持つIPアドレスの在庫数は約43億個ですが、IPv6には約340澗個ものIPアドレスの在庫数があります。
以前までPPPoEにIPアドレスを提供するプロトコルはIPv4の1種類だけでした。
しかし、2011年11月31日の時点で(アメリカの国政調査局の推測だと2012年3月12日頃)世界の人口が70億人に達したことでIPアドレスの不足が問題視されるようになりました。
そんな中で約340澗個ものIPアドレスの在庫数を持つIPv6の運用がはじまり、今はIPv4からIPv6への移行が推奨されています。
IPv4とIPv6では利用できる接続方式となるプロトコルの種類も異なります。
IPv4では利用できる接続方式となるプロトコルはPPPoEのみですが、IPv6ではPPPoEに加えてIPoEの利用も可能となっています。
IPoEを利用できるかでインターネットの機能性は大きく変わってきます。
PPPoEとIPoEの違い
PPPoEとIPoEでは大きな仕組みが異なります。
PPPoEではプロバイダから発行されたIDやパスワードをもとに接続認証を行うプロトコルですが、IPoEでは認証なしでインターネットに接続してくれます。
接続認証があるかないかは、通信速度の安定性に関わってきます。
PPPoEでは接続認証が行うためにプロバイダを経由するので、利用者が多い夜の時間帯になると通信速度が低下しやすい欠点があります。
IPoEではプロバイダを経由せずダイレクトにインターネットへ接続するので、利用者の人数や時間帯に通信速度が左右されず、いつでも快適にインターネットを利用できます。
※PPPoEとIPoEの仕組みのイメージ。
先ほども説明しましたが、IPv4を利用するときはPPPoEでの接続しかできませんが、IPv6ではIPoEも利用できるので通信速度の安定性が高くなっています。
通信速度を速くするためにIPoEで接続できるIPv6を導入する人が増えつつあります。
IPoEが利用できるルーターやデバイスも急激に増えているので、PPPoEより快適にインターネットを使える環境を作りやすくなっています。
PS3までのゲーム機はIPoEに未対応でした。
しかし、PS4から利用可能になったので、オンラインゲームの環境作るときにもIPoEの使用を検討する人は少なくありません。
確かにIPoEでの接続ができるのは基本的にIPv6を利用するときだけです。
ただ、今はV6プラスやIPv6 IPoE+IPv4対応のプロバイダを契約すればIPv4を利用するときでもIPoEでの接続が可能になります。
PPPoEのメリット
PPPoEのメリットは以下の2つです。
- どの回線やプロバイダでも利用できる
- どんなルーターやデバイスでも利用できる
どの回線やプロバイダでも利用できる
今はIPv6とIPoEを利用する人が増えてきています。
ですが、すべての回線やプロバイダが対応していないのが現状なので、導入するには契約事業者選びに注意しなければいけません。
PPPoEはすべての回線事業者やプロバイダが対応しているので、利用するために契約先選びに悩まされることはありません。
今インターネット回線を契約している人も、すでにPPPoEを利用しています。
どんなルーターやデバイスでも利用できる
現在販売されているルーターはすべての機種がPPPoEに対応しているので、利用するときに周辺機器による縛りを受けません。
デバイスに内蔵されているすべてのOSもPPPoEに対応しているので、回線とプロバイダを契約して周辺機器とデバイスがあれば誰でも利用できます。
IPv6とIPoEを使うには対応のルーターやデバイスが必要なので、PPPoEを利用するハードルはとても低いといえます。
PPPoEのデメリット
PPPoEはADSLが主流だった時代から用いられているプロトコルですが、現在は以下のデメリットを抱えています。
- 通信速度が低下しやすい
- 初期設定が面倒
上記のデメリットがある今のPPPoEはインターネットを快適に使える機能とはいえません。
通信速度が低下しやすい
PPPoEの最大の欠点は通信速度が低下しやすいことです。
PPPoEでは必ずプロバイダを経由してインターネットに接続するので、利用者が多くなると通信速度の低下が起きてしまいます。
どれだけ高性能なデバイスやルーターを用意しても、PPPoEでは利用者の増加による影響は避けられないので速度低下は免れません。
PPPoEが採用された頃は今と比べてインターネットを使う人が少なかったので速度低下は起きにくかったです。
しかし、ほとんどの人がインターネットを使うようになった今ではPPPoEでの速度低下は深刻な問題だといわざるを得ません。
初期設定が面倒
PPPoEには利用するときの初期設定が面倒なデメリットもあります。
前半でご紹介しましたが、PPPoEを使ってインターネットへ接続するには、回線やプロバイダを契約してからIDやパスワードの入力などの設定作業をしなければいけません。
今ではIPv6とIPoEを使って設定なしでインターネットへ接続できるようになっているので、今からPPPoEをメインで使う意味があるとはいい難いのが現状です。
簡単にインターネット回線を導入したいのであれば、IPv6とIPoE対応の回線やプロバイダを契約するのが無難です。
今は市場にIPv6やIPoE対応のルーターやデバイスが溢れているので、PPPoEの周辺機器とデバイスに縛られない点は大きなメリットにはなり得ません。